心地いい浮遊感
肌にあたる風が涙を乾かしていく
ラルに抱かれて飛ぶ
安心感がわたしの心を軽くしていく。
そのまま飛んで
彼は書庫の一番高い屋根に降り立った。

そして
「お前の為に飛ぶことが
 俺の為に飛ぶこと」
そう宣言した。
それって・・・あの伝記の
ピコランダの英雄と
天馬の伝説の天馬の言葉・・・

あたしが天馬じゃなかった、
私の為に飛んでくれる
夜色の天馬がここに居た。

愛おしくてラルの首に抱きついた

そして、私も宣言する。
「永遠に・・・離れない」

唇が重なる
流れるように自然に・・・
あの夜はきっとこうなる私たちの
未来予知だったのかもしれない。