「この国を救って頂いた、
 英雄クラァス姫には
 何かお礼をさせて
 いただきたいのだが・・・」
そんな恐れ多い、そうおもって
「そんな、お気遣いは無用です・・・」
そう断りを入れようとしたとき、
ふっと思い出した。
もうそれは無意識に近く
口をついてでていた

「私が英雄というなら、
 そんな私を助けてくれた
 ラル殿下に・・・
 ラル殿下に休暇をあげて欲しいと
 思うんです。
 自由に自分の好きなものが
 研究できる時間が欲しいって
 おっしゃっていたので
 お忙しいとは思いますが、
 私からの願いという事で
 聞き入れていただけませんでしょうか?」

一瞬、空気が止まった
しまった・・・私は何言ってるの?

他国の姫がそんな
大国の王子の休暇をお願いするとか

なに・・・おかしなこと言ってるの・・・
あぁぁ・・・もう、王子なんだから
休暇ぐらい自分でなんとかするわよ。

あわてて、
取り消しをしようとしたところで

「わかりました!」

と王が今までより
少し声を張って答えてくれた。
私は、あたふたして
開いた口をなんとか閉じて俯いた・・・