するとアル王子が
変わらない優しい声で言う。
「私たちがこうやって
 王家として存続できたのも、
 クラァス姫のお蔭です。」
次々に寄せられる
感謝に戸惑ってしまう。

そして、お見合いの話を
白紙に戻させてもらいたいこと、
それについては
後程ファルゴアへも正式に
書面を送らせてもらいたいと
アル王子からも改めて謝罪が入った。

だから、
私は本音をそのまま伝える。

「私は・・・
 この国にきてから・・・
 この国が好きになりました。
 だから、この国の力になれたのなら
 これほど嬉しいことは
 ないんです。 
 私はアル王子の運命の人では
 なかったようですが・・・」
ここで自然と微笑む
息を吐くほど楽に言葉が出てきた

「アル王子には心から幸せになってもらいたい
 そう、祈ってます」
心が穏やかに澄み渡っていく
私の心が嘘偽りないと
ピコランダの王族に
伝わっただろうか・・・

そう思い一人一人の顔をみる。

王も王妃もアル王子も
にっこりと笑ってくれた。