当て馬ならし

「ちょーーーーと
 おねーぇちゃーん!!!」
部屋の中からベルが叫ぶ

何事かと思って振り向くと、
そこには頬を膨らました妹がいた。
「病み上がりって意味しってる?」
「病気のあとで
 体力が回復していない状態」
「辞書か!!!違う、そうじゃなくて!」
私がいきなりベランダなんかに
出てるから驚いたんだろう
「本当に元気なのよ」
困ったように言って部屋に入ると

「クララ様!」
と元気なしっかりした声が耳に入る
「タシー!!」とそういって私は抱きついた。

タシーも私を抱きしめてくれた。
でも、抱きついた胴回りを
ささっと確認して
「痩せすぎですね・・・
 気分的には大丈夫って思ってるかも
 しれませんが、
 体重が落ちているのは確かです。
 病み上がりは病み上がりなんですよ。」
そう、ぴしゃりと言われる。
「うう」
しょぼんとしてしまうと、
一度、主従の距離にタシーは入る
「クララ様、お元気そうで安心しました」
そういってにっこりと笑う。
私もそれに笑みを返す。

あぁ、こうやってタシーとの
会話が出来るなんて
あの、地下の洞窟で
亡者に襲われそうになった時を
考えると夢のよう。

生きててよかったって思える。