当て馬ならし

「でも・・・どうして、
 これだけの魔術フィールドが
 気がつかれなかったの」
今度はきちんと聞こえるように
声を大きくして言う。

「だから7年かかったんだよ。
 兄が残したこの施設を見つけてからね」
まず最初に動かしたのは
アンチマジックフィールドの
作成装置だった。

ここだよ、ここ・・・
と言って私のっている台座を示す。
「毎日毎日すこしづつすこしづつ・・・
 魔法で感知されない範囲を広げていった」
歪んでしまった努力
どうしてその勤勉な努力を
ピコランダの為に生かして
くれなかったのだろう・・・

壊れてしまっていた心には
この国のもつ優しさは届かないのか

「ラルの小僧が帰ってきてからは
 慎重に慎重に広げたさ、
 自分の魔術が低いことを
 主張しながら、ピコランダの
 内情も探ってきた」
きっと、彼はこの思いが無くて
ピコランダに普通に勤めていれば
きっとよい人材だったのだろう

・・・私がもし、ピコランダの為に、
    平和の心を使えたら・・・
この頑なに歪んでしまった
魔術師の心をほぐすことが出来ていたら・・