動いたのは父から
直立の体制から突然の攻撃、
地面すれすれから切り上げてくる

間合いを盗んでバックステップ
ギリギリでかわしたものの
剣の風圧が遅れてやってくる

切り上げはそのあと脇に隙をつくるが
強靭な筋肉の動きで
そのすぐあと振り下ろしてくる。

誘われて踏み込めばひとたまりもない

さらに後方倒立回転でよけると
大剣は砂埃を上げて地面を切っていた
その隙をついて前方へ飛ぶ
地面をローリングして
父の背中に回り込む
完全に起き上がる前の
膝立ちの状態から体をひねって
背中の防具めがけ剣を突き出す

「取った!」
と思った瞬間
父の大きな背中が消えた・・
ように見えた
片手剣を突き出す先には何もなく
剣先の間合いをしっかり読まれたうえで
私の頭上に大剣があった・・・

風圧だけが私の前髪を通りすぎた