「私、今回はかなり上達したわよ?」
にやりと笑うと
低く喉を鳴らして笑う父が
「新しくはいった騎士達が
 太刀打ちできないと
 嘆いてるとうわさに聞くぞ」
そう言って新米騎士達に
目線を送る父
ビクリッとさらに姿勢を正す
数人の騎士達

「ふふ、
 久しぶりでなまってるんじゃないの?
 お父様?」

父がどんな時でも鍛錬を欠かさないと
知っていながら挑発する。

「ふふ、そんななまってしまった
 この父が勝った暁には
 願いをきいてほしいものだなぁ」

そういって大剣を構えた父から
普段の優しさが消えて
代わりに静かな闘気が体を包む

私は片手剣を構える
いくら木製といえども
大剣なのだが、父はそれを片手で扱う
最強伝説進行形の父から一本取るには
それこそ奇襲しかない
なんとか隙をついて
防具に剣先がかすれば私の勝ちだ
慎重に父の動きを見る。