ハトナが下がっていったのを
ベッドで確認して起き上がる。
寝間着の上にきちんと
ショールをまいておく。

ここで、前みたいに
変に誘惑したとか言われるような
事態は避けておきたい。

深夜である。

ベランダに出て
小さく深呼吸をする。
見上げた空には月が煌々と輝き
地上を青い光で満たす

静まり返った庭園に、
外灯の明かりがほんのりと揺れている。

そして来るであろう
その人物に対して
壁を背にして待ち構える。

何度となく背後を取られ、
その度に動揺してきた。

今夜は動揺している暇はない、
きちんと間違えないように
余裕をもって説得しなければ・・・