そう、妹の想い人の名前である。
こうやってからかうのが楽しくて
ついついいじめてしまう。
そろそろ、勘弁してあげようかな?
「“牡牛角の鍛冶屋の主人の息子
 セルヴァン”に頼んだレイピアは
 明日の昼には出来るらしいから、
 一緒にいくでしょ?」

「誰に対して説明してるのさぁ~」
とぶつぶつ言いながら
結局素直にコクンとうなずく妹。
「それと、厨房に頼んで昼食を
 鍛冶屋に差し入れよう
 と思ってるんだけど、
 早めに出てもかまわない?」

ベルの大きな瞳がキラキラ輝きだした
「昼食もどうせなら
 鍛冶屋のみんなと食べようと
 思うんだけどっ」
話の途中でベルはベッドの上に
立ち上がった。
「おねぇちゃん!ありがとう」
そういってベッドから
ジャンピングして扉に向かっていった
ベルの背中に
「お料理がんばってね♪」
と声をかけると
「早起きするからもう寝るねー
 お休みぃ~」
と照れながら部屋を出て行った