本をもって玉砂利の道を歩く
もうすっかりお馴染みの
小気味いい音を聞きながら

橙の光の漏れる書庫に向かう
月はだいぶ丸に近づいてきた・・・
夜空は今日も晴れ渡り、
書庫の住人である
あの王子の瞳の色をしている

今日の夕食も美味しかった。
でも、朝食と違ってアル王子とは
一番離れた席になった。
ローテーションだから仕方ないけど、
一番離れると離れるで
御姫様トークに付き合わなくては
いけなくなる。

もっぱらの話題はやはり
毎日誰かしらが受けている
ダンス稽古の話題になり
「難しいわよね」とため息をつけば
「私も全然覚えられない」と答え
「王子のリードがあるから大丈夫よ」
などと白々しいフォローの仕合になり
みんなが牽制しあって、
出し抜こうとしている
そんな空気を自分も含めて
持っている。