「というわけで
 これは名誉の泥なのよ」

マジックポーション研究所から
帰ってきて馬車から降りると
玉砂利の庭園を真っ黒ローブが
横切っているのが見えた。

書庫に向かっているのだろうか。

なんだか、あのスフィアを
見てきたという報告をしたくて
花束を持ちそのまま書庫に向かう。

中に入ると
やっぱりラル王子は
面倒くさそうに
椅子に掛けて本を読んでいた。

興奮して話し出す私
役人さんの熱意や、
スフィアの綺麗だったこと
小瓶のデザインが可愛いいのに
それを作っている職人さんが
強面だったことが可笑しかったこと、
試飲したポーションの液体が
甘すぎて美容的に気になるって話
昼食の羊肉がおいしかった話
に至るまで、
だまって聞いてくれるのを
いい事に話しまくる
そして最後は花束を渡してくれた
女の子の話をした。