当て馬ならし

そんな話を馬車の中で
聞きながらの移動だった。
「今回皆様に見学していただく施設は、
 魔術師の作り出したポーションの
 保存や効果の持続を研究し
 魔術師のいない場所にも
 魔術的効果をもったポーションを
 ある程度流通させるのが
 目的の研究所であります。」

馬車の中は
やっと着いた目的の場所という事で、
外の景色に夢中になる姫達がほとんどで
講師役の役人の話は
あまり聞かれていない。

それでも、彼は誇らしげに
この施設の説明を続けてくれた。
「そんな大切な技術を
 私たちが見学してもよいのですか?」
マジックポーションは
現在とても高価である。

高度な魔術師がいないと作れないし、
大量に作れるものでもない
保存は効果の高いものほど短くなる
例えばヒーリングポーションだったら、
少々の怪我を直すことが出来る。
これが流通するようになったら
夢のような話で、
犬にかまれたとか食あたりした
とかであれば医者にかからず
ポーション一本で治ってしまう
という事になる。

辺境の地に住んでいる狩人や
特殊な土地でしか栽培できない
作物を扱う農夫たちには
それを安価で手に入れたれると
なったら喉から手が出るほど
欲しいだろう。