当て馬ならし

とそんな事を思いながら
書庫へ向かっていると

天然令嬢さんのモノでない足音が
急速に近づいているのが聞こえた。
彼女がふんわり言った声
が微かに聞こえる
「わぁ、ラル王子ではないですかぁ。
 ごきげ・・・あぁ・・・」
背筋に嫌な汗が伝う
すぐ後ろにあいつがいたのか?
そして天然さんの横を
無言で通り過ぎただろうと
思われる彼女の反応。

踵をかえして書庫からはなれると
たぶん真後ろのアイツの顔を
見る事になる。

ぷりぷりって感じが
ぴりぴりって感じになって
歩く速さがどんどん早くなる
後ろの足音も早くなる・・・
やった、書庫の扉の前に来た!
しかし、このまま書庫にはいるとなれば
嫌が追うにもあのイヤミたらしい言動と
向きあわなければいけない。