その本には・・・・

騎馬民族の若者が英雄となり
神から授かった天馬に乗って
民を救う物語が綴ってあった。

物語の最後はこうだ・・・

平和を取り戻したピコランダの地に
立った英雄が、
苦楽を共にし、心を交わした天馬を
離れがたく思いながらも
神に返すという場面で、

神がこの働きを賞して
『なんでも願いを叶えよう』と言う、
そこで英雄は天馬が、
『天馬自身の為に
 自由に空を飛んだことがないので
 一度でいいから誰にも縛られず
 自由に飛んでみたい』
と 言ったのを思い出し、
神に願う、
天馬の自由を・・・
願いを叶えられた天馬は、
しかし飛び立たない
何故か?と問う英雄に天馬は言う
『あなたの為に飛ぶことが
 私の為に飛ぶことなのです』
こうして天馬と英雄は永遠に離れず
天に召され、
星になりいつまでも
ピコランダの地を見守っていると・・・