といっても、ファルゴアは特に資源もなく
ほぼ自給自足の農耕民族で
特に地形として隣国に攻めるときの
要になる要素はない
本当に気まぐれに現れるこの国への
敵意。
その小さな敵意を摘むために
与えられている能力

土地の魔力で、
王族には必ず女児が生まれる

そして、女児が複数、
生まれることは
今までのファルゴアの
歴史上、稀(まれ)である。

二卵性双生児としてうまれた私たちは
外見はまったく違う。
母に似ているのは
妹のベェールだった。
色白で透き通るような肌、
ブラウンの髪は日に当たると
金色に輝く。

私は父に似ている
騎士団長だった父に似て
肌は褐色に近く髪はシルバー

妹が太陽なら私は月だ。

かといって
特に忌み子として隔離されるわけでも
妹と比べて差別されることもなく
どちらかと言えば、親ばかな両親に
愛情を沢山もらって育ったと思う。