「こんにちは矢上さん」

微笑みで出迎えてくれるレセプション藤堂さん。


前回の美容院に来た日から1ヶ月


私は、またここに来ている


先日の街中で風間さんと逢った日から、綾音に言われた事が頭から離れない。


「こんにちは。はい、メンバーズカード」

「いつもありがとうございます」

荷物を預けソファーに案内されると、藤堂さんはインカムを使って風間さん?に連絡していた


あの日から風間さんを意識している私


風間さんが膝掛けとカルテを持ち、いつもの笑顔で私を呼ぶ

「よっお待たせ。なっちゃん」

今日も風間さんは優しい


席に案内されて、腰をかけ、膝掛けをかけてくれる。

あれ?

「やっぱり、なっちゃん私服のがしっくりくるなぁ(笑)」


なんやろ


「ん、どうした?」


施術中の風間さんも、他の人の接客してる風間さんも


目が離せない

「…何もないです」


きっと、綾音があんな事言ったからだ…

綾音があんな事言うから…


風間さんが頭から離れないや…