「え…風間さん」
私が気づくと同時くらいに、風間さんも私に気づいたのか、笑顔で大きく手を振ってきた。
「なっちゃん!学校終わり?」
風間さんが働く美容室と近いけど、今まで美容室以外で逢った事はなかったから驚いた。
「あ、はい。」
「あ、こんにちは。奈津紀の友達、鈴木です」
私が答えると綾音が風間さんに挨拶をした。
話を聞くと、風間さんは今、美容室のお客さん集めの為にリーフ配りをしているそう。
「そういえば、なっちゃんの制服姿、始めてみるかも。いつも休日だったし」
風間さんは「やった」と笑顔で言った
仕事の邪魔をしたらいけないので少し話したら私は風間さんとばいばいした
次の予約の日をきめて。
「ふぅーん、あれが奈津紀の王子かぁ」
綾音がズルッと手にもつテイクアウトの珈琲を飲みほすと、その言葉を口に発した。
「えっ、お、おうじっ?!」
「まぁ、想像より格好いいやん」
ニヤニヤしながら話す綾音
風間さんが、私の王子
…そんなことないよ
