「え、えっ?」

モデル?カットモデルかなんかかな

いまいち把握できていない私に風間さんはほほえんで話を続ける


「いや、俺ね、少し先なんだけど会社で社内コンテストがあって、フォトとショーの部門に出ようと思ってんやけどモデル、なっちゃんで考えてみたんよ。


…どうかな?無理ならいいよっ?学生さんやし無理はさせたくないからね、レッスンも営業後とかやからさ」


私が、モデル

「私なんかで…いいんですか?」

全く想像のつかない世界


「もちろん。なっちゃんスタイル良いし、髪も綺麗やし、なにより俺と一番仲良いから」


風間さんは言い終えると、帰るまでに考えといて、とストレートの準備をしにバックヤードに行った


「雑誌どうぞ」

アシスタントの今掛さんが雑誌を持って来てくれた。

「いいと思いますよ、モデル。風間さん技術上手やしなっちゃんの顔立ちや雰囲気、髪の事とか知り尽くしてるから、絶対可愛くなると思います」

「そ、かな…」

今掛さんは「はい」と笑顔で答えると他のスタイリストさんに声をかけられて、シャンプーに入った。

「あ、なっちゃん今アイツに何か言われた?」

戻ってきた風間さん

「モデル進められちゃいました(笑)」

「それだけ?アイツすぐいらんこと言うから」

鏡越しに風間さんが後ろでシャンプー中の今掛さんに文句を言うのを、笑った