ゼロの横を通り、少女を覗き込むようにサタンの前に立った。
「ふーん。バケモノにも血は流れるんだな。」
「タナトスにひどいことしたら、許さないんだからね!」
ゼロは目尻を釣り上げた。
「どう、許さないんだ?ま、死にかけの雑魚に下す手なんざねぇが。」
漆黒は言う。
「さぁ、来い。力尽くで納得させてみろよ。」
「私、戦いに来たんじゃないよ!」
「綺麗事言ってると、吹っ飛ぶぜ?」
そう言うと、軽く手で風を起こす。
すると、風が大きな爆風となって襲いかかる。
「きゃっ!」
ゼロは目を閉じた。
サタンはゼロの前に立ち、手を翳す。
「無駄だ。」
そう言うと、風は消えた。
「ふーん……」
漆黒はニヤリと笑い、白銀の双眸を細めた。
そして、足で小石を蹴り上げる。
小石は鋭い速さでサタンに向かって来る。
「自己紹介ついでに言っておこう。俺はサタン。神の恩恵、全てを拒絶する。」
そう言うと、小石はサタンの手前で速度を失った。
「あんた……おもしれぇな。」
「力を誇示する者、早々に要望に応じてもらおうか。」
サタンは淡々と言う。
「へぇ。なるほど。」
「無能な人間など、敵ではない。」
「随分じゃねぇか。」
漆黒はケタケタと笑った。
「じゃあ、こっちも自己紹介しなきゃなぁ。」
そう言うと、妖しい笑みを浮かべた。
「俺はレイ。能力は、乗算させること。あんたと宜しくする気はねぇが。」
「それは残念。僕は面白そうだと思ったんだけどね。」
漆黒に桃色が穏やかに笑って言う。
「僕はミュー。影使い、だよ。」
にこやかに笑って言った。
そして、足元の影がうねる。
「安心して。何もしないよ。手出し無用と聞いてるからね。」
ミューはいやに優しく笑った。
「器とは、必ずしも同じわけではないのか。」
「ううん。」
サタンに答え、ゼロは進み出た。
「同じだよ。」
そして、祈る。
“Schatten(影よ)”
すると、白い影が現れた。
「この世界には2種の能力者がいる。詠唱する者と超能力者。前者は“詠唱能力者”と呼ばれ、元々の体力や経験などに左右される。それに対し、後者は“絶対能力者”と呼ばれ、体力や経験に左右されることは変わらないが、基本的には詠唱は必要ない。ただし、詠唱することで力を増幅させることは可能。」
そこまで言うと、ミューは考える仕草をした。
「君は、詠唱能力者かな?」
「今は、ね。」
ゼロは笑った。
「ふーん。バケモノにも血は流れるんだな。」
「タナトスにひどいことしたら、許さないんだからね!」
ゼロは目尻を釣り上げた。
「どう、許さないんだ?ま、死にかけの雑魚に下す手なんざねぇが。」
漆黒は言う。
「さぁ、来い。力尽くで納得させてみろよ。」
「私、戦いに来たんじゃないよ!」
「綺麗事言ってると、吹っ飛ぶぜ?」
そう言うと、軽く手で風を起こす。
すると、風が大きな爆風となって襲いかかる。
「きゃっ!」
ゼロは目を閉じた。
サタンはゼロの前に立ち、手を翳す。
「無駄だ。」
そう言うと、風は消えた。
「ふーん……」
漆黒はニヤリと笑い、白銀の双眸を細めた。
そして、足で小石を蹴り上げる。
小石は鋭い速さでサタンに向かって来る。
「自己紹介ついでに言っておこう。俺はサタン。神の恩恵、全てを拒絶する。」
そう言うと、小石はサタンの手前で速度を失った。
「あんた……おもしれぇな。」
「力を誇示する者、早々に要望に応じてもらおうか。」
サタンは淡々と言う。
「へぇ。なるほど。」
「無能な人間など、敵ではない。」
「随分じゃねぇか。」
漆黒はケタケタと笑った。
「じゃあ、こっちも自己紹介しなきゃなぁ。」
そう言うと、妖しい笑みを浮かべた。
「俺はレイ。能力は、乗算させること。あんたと宜しくする気はねぇが。」
「それは残念。僕は面白そうだと思ったんだけどね。」
漆黒に桃色が穏やかに笑って言う。
「僕はミュー。影使い、だよ。」
にこやかに笑って言った。
そして、足元の影がうねる。
「安心して。何もしないよ。手出し無用と聞いてるからね。」
ミューはいやに優しく笑った。
「器とは、必ずしも同じわけではないのか。」
「ううん。」
サタンに答え、ゼロは進み出た。
「同じだよ。」
そして、祈る。
“Schatten(影よ)”
すると、白い影が現れた。
「この世界には2種の能力者がいる。詠唱する者と超能力者。前者は“詠唱能力者”と呼ばれ、元々の体力や経験などに左右される。それに対し、後者は“絶対能力者”と呼ばれ、体力や経験に左右されることは変わらないが、基本的には詠唱は必要ない。ただし、詠唱することで力を増幅させることは可能。」
そこまで言うと、ミューは考える仕草をした。
「君は、詠唱能力者かな?」
「今は、ね。」
ゼロは笑った。


