ゼロに冷たく言い放つ。
「貴方のその程度の力では私達に敵わない。」
「減らず口が。」
ベルゼブブは蠅を放つ。
“絶対零度”
すかさず、陸奥が薙ぎ払った。
「やるじゃない。」
「当然。」
タナトスに陸奥は言う。
暫く鎖を避けたベルゼブブも、遂にバランスを崩し、足を取られた。
タナトスが鎖を離すと、巻き付いた鎖は罪の重さで沈む。
耐えられず、ベルゼブブは転倒した。
「逝きなさい。」
「主の元へ。」
“Schatten(影よ)”
ゼロが詠唱すると、白い影がベルゼブブを運んだ。
宝石だけがその場に残る。
「……」
“愛オシイ——”
宝石を手に取るも、やはり続きは聞こえない。
「気持ち悪い。」
嫌悪して足を進める。
足元に骸が現れた。
(いつものことよ。)
そう言い聞かせる。
「!」
すると、痛みが胸を刺した。
“愛オシイ——”
声がする。
酷く、身体が熱い。
「タナトス!」
ゼロが駆け寄る。
「なによ。」
タナトスは平静さを装った。
しかし、骸に足を取られて動けない。
「何一人で遊んでんだ。」
レイが怪訝そうにする。
「暇ではないのだ。急ぐぞ。」
陸奥は先を急ぐ。
進もうと、タナトスは足を引きずる。
“ホントハ、怖イノダロウ?”
声がした。
「うるさい!!」
“弱イ者ダナ”
「黙れ!」
耳を塞ぎ、蹲る。
「た、タナトス?」
おどおどとゼロがタナトスに触れようとする。
タナトスはその手を振り払い、耳を塞いだまま後退る。
「やめて、こないで、ふれないで!うるさい、うるさいうるさいうるさい!!!!」
左右に頭を振ると、足元を何かが掴んだ。
無数の骸。
見渡す限りの屍。
“愛オシイ——”
何かの、こえ。
「やめて……」
平静を保とうとすればするほど混乱した。
「わた、し、は」
いつもは平気だ。
「そう……だいじょう、ぶ。」
たいしたことない。
「だいじょう、ぶ。」
もう一度、繰り返した。
「すこし、驚いたのよ。わるい、ゆめ。」
言い聞かせるように呟く。
“逃ゲルノカ?”
ひやりとした感触に足元を見る。
骸が這い上がり、腹まで登ってくる。
横目で見ると、背後から背まで登り、首に手をかけた。
「!!」
慌てて振り払うと、壊れた骸がタナトスを追う。
また、別の骸もタナトスを捕まえた。
「いや……」
怖くて、冷たくて、どうしていいかわからない。
焦れば焦るほど、骸が襲い来る。
「貴方のその程度の力では私達に敵わない。」
「減らず口が。」
ベルゼブブは蠅を放つ。
“絶対零度”
すかさず、陸奥が薙ぎ払った。
「やるじゃない。」
「当然。」
タナトスに陸奥は言う。
暫く鎖を避けたベルゼブブも、遂にバランスを崩し、足を取られた。
タナトスが鎖を離すと、巻き付いた鎖は罪の重さで沈む。
耐えられず、ベルゼブブは転倒した。
「逝きなさい。」
「主の元へ。」
“Schatten(影よ)”
ゼロが詠唱すると、白い影がベルゼブブを運んだ。
宝石だけがその場に残る。
「……」
“愛オシイ——”
宝石を手に取るも、やはり続きは聞こえない。
「気持ち悪い。」
嫌悪して足を進める。
足元に骸が現れた。
(いつものことよ。)
そう言い聞かせる。
「!」
すると、痛みが胸を刺した。
“愛オシイ——”
声がする。
酷く、身体が熱い。
「タナトス!」
ゼロが駆け寄る。
「なによ。」
タナトスは平静さを装った。
しかし、骸に足を取られて動けない。
「何一人で遊んでんだ。」
レイが怪訝そうにする。
「暇ではないのだ。急ぐぞ。」
陸奥は先を急ぐ。
進もうと、タナトスは足を引きずる。
“ホントハ、怖イノダロウ?”
声がした。
「うるさい!!」
“弱イ者ダナ”
「黙れ!」
耳を塞ぎ、蹲る。
「た、タナトス?」
おどおどとゼロがタナトスに触れようとする。
タナトスはその手を振り払い、耳を塞いだまま後退る。
「やめて、こないで、ふれないで!うるさい、うるさいうるさいうるさい!!!!」
左右に頭を振ると、足元を何かが掴んだ。
無数の骸。
見渡す限りの屍。
“愛オシイ——”
何かの、こえ。
「やめて……」
平静を保とうとすればするほど混乱した。
「わた、し、は」
いつもは平気だ。
「そう……だいじょう、ぶ。」
たいしたことない。
「だいじょう、ぶ。」
もう一度、繰り返した。
「すこし、驚いたのよ。わるい、ゆめ。」
言い聞かせるように呟く。
“逃ゲルノカ?”
ひやりとした感触に足元を見る。
骸が這い上がり、腹まで登ってくる。
横目で見ると、背後から背まで登り、首に手をかけた。
「!!」
慌てて振り払うと、壊れた骸がタナトスを追う。
また、別の骸もタナトスを捕まえた。
「いや……」
怖くて、冷たくて、どうしていいかわからない。
焦れば焦るほど、骸が襲い来る。


