ジリリリとベルが鳴り、ゼロが乗ると同時に扉が閉まった。
「先ずは、情報共有だ。あんた達……“天界から来た者”、と情報にある。真実は知らないが、情報は吾輩たちよりも多くある。」
「でも、信じるつもりはあるのかしら?」
「それは話してからの検討だ。」
陸奥はタナトスに答えた。
「ベルゼブブ、とか言っていた人物は何だ?」
「聞いていたのね。」
タナトスは笑う。
「彼は大罪人。今では神に許され、仕えているわ。腐敗と暴食の罪。」
そして目を伏せる。
「私達も大罪人で、神に仕えている。本来は人間界に降りて行かない存在だわ。しかし、それがこうして居る。……天界と此方の狭間に歪みが起こっている可能性があるわ。」
「それで、そいつが来たと。」
「恐らく。あるいはその器かもしれないわ。」
タナトスに陸奥は唸る。
「神って奴の声とか聞けないのか?」
「僕らはたまに聞こえるけれど。」
レイとミューが言う。
「私は……聞く資格はないわ。」
(神に逆らったもの。)
タナトスは苦笑する。
「神も、管理している訳ではないから。解らないんだって。ただ、私達が此処に来てから、天界の方もおかしな事が起こっている。」
ゼロは言う。
「——天空宮、六番地。“レヴィアタン”と“アスモデウス”が諍う。理由は統治問題。諍い中に歪みが発生。本来、罪人同士が諍うと神によって仲裁される筈が、別の歪みによって発見が遅れた。その歪みは地獄界から起こっているもので、三番地などの地方にも起こっている模様。始まりは悪魔の力が四散した時と見られる。歪んだ原因はその力。神は対策として、人間界への扉の封鎖・天空宮の見回りの徹底をした。」
目付きが変わり、淡々と語った。
「今は、帰れないみたい。あと、連絡も難しくなる。」
少し首を傾げて、ゼロは言う。
「レヴィアタン……」
(私に名前をくれた人。)
レヴィは複雑な表情になる。
「もしかしたら、再び、崩壊するかもしれない。」
「何が、だ?人間界か。」
泣きそうなゼロに陸奥が問う。
「ううん。」
ゼロは首を振る。
「天空宮……私たちが居る場所。」
そうして、悲しそうな目をした。
「タナトスがまだ、居なかった頃……死は未だ空席で、神様が司っていた。」
そうして、語る。
「先ずは、情報共有だ。あんた達……“天界から来た者”、と情報にある。真実は知らないが、情報は吾輩たちよりも多くある。」
「でも、信じるつもりはあるのかしら?」
「それは話してからの検討だ。」
陸奥はタナトスに答えた。
「ベルゼブブ、とか言っていた人物は何だ?」
「聞いていたのね。」
タナトスは笑う。
「彼は大罪人。今では神に許され、仕えているわ。腐敗と暴食の罪。」
そして目を伏せる。
「私達も大罪人で、神に仕えている。本来は人間界に降りて行かない存在だわ。しかし、それがこうして居る。……天界と此方の狭間に歪みが起こっている可能性があるわ。」
「それで、そいつが来たと。」
「恐らく。あるいはその器かもしれないわ。」
タナトスに陸奥は唸る。
「神って奴の声とか聞けないのか?」
「僕らはたまに聞こえるけれど。」
レイとミューが言う。
「私は……聞く資格はないわ。」
(神に逆らったもの。)
タナトスは苦笑する。
「神も、管理している訳ではないから。解らないんだって。ただ、私達が此処に来てから、天界の方もおかしな事が起こっている。」
ゼロは言う。
「——天空宮、六番地。“レヴィアタン”と“アスモデウス”が諍う。理由は統治問題。諍い中に歪みが発生。本来、罪人同士が諍うと神によって仲裁される筈が、別の歪みによって発見が遅れた。その歪みは地獄界から起こっているもので、三番地などの地方にも起こっている模様。始まりは悪魔の力が四散した時と見られる。歪んだ原因はその力。神は対策として、人間界への扉の封鎖・天空宮の見回りの徹底をした。」
目付きが変わり、淡々と語った。
「今は、帰れないみたい。あと、連絡も難しくなる。」
少し首を傾げて、ゼロは言う。
「レヴィアタン……」
(私に名前をくれた人。)
レヴィは複雑な表情になる。
「もしかしたら、再び、崩壊するかもしれない。」
「何が、だ?人間界か。」
泣きそうなゼロに陸奥が問う。
「ううん。」
ゼロは首を振る。
「天空宮……私たちが居る場所。」
そうして、悲しそうな目をした。
「タナトスがまだ、居なかった頃……死は未だ空席で、神様が司っていた。」
そうして、語る。


