あの頃はまだ想いもしていなかった…

私と貴方が甘い恋に落ちるなんて。

望月 咲良 Mochiduki Sakura
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鮎川 綺羅斗 Ayukawa Kirato

青春ラブストーリーのスタートが今ここから始まろうとしている。

私は望月咲良高校1年生。
やっと高校生活に慣れてきたところ。

「さくらちゃん!屋上行こう!」

元気良く話しかけてきたのは、
この高校に入って1番最初にできた友達の横山七海。
癒し系で話していてとても落ち着く。

「ごめんね!今から職員室に行かなくちゃいけないの!また後でね!」

私は学級委員長をしているから、
先生に呼ばれることが多々ある。

「そっか、わかったよ!いってらっしゃい!」

ななみちゃんに手を振って、
私は急いで職員室に向かった。

その時…
"バンッ!"
思いっきり誰かとぶつかってしまった。

「いたたた、」
「いってぇ〜」

私の学校は靴紐で学年が分かるようになっている。
1年生が赤色。2年生が黄色。3年生が緑色。
私がぶつかったのは、
緑色の靴紐の3年生だった。

「すいません!大丈夫ですか?」

恐る恐る声をかけてみる。

「大丈夫だよ。君は?怪我してない?」

そう言葉を返してくれたのは、
二重まぶたでぱっちりとした目に、
綺麗なブラウンに染められた髪の毛。
とても笑顔の似合う先輩だった。

こんなにかっこいい先輩がいるのかと見惚れてしまっていた。

「ぼーっとしてるけど、頭ぶつかっちゃった?ごめんね?」

私はハッとして、

「あ、いえ!全然大丈夫です!
本当にすいません!」

優しい先輩でよかった〜。

この時はまだ自分の気持ちに気付いていなかった。

「あ、それじゃあ職員室に行くので!
これで失礼します!」

急がないと!

「君も職員室に用事?俺もだよ。
職員室まで一緒に行こう?」

急な言葉にびっくりとしてしまったが、

「は、はい!」

断る理由もなく一緒に行くことに。

「1年生なんだね!どう?高校は楽しい?」

「やっと慣れてきたところです!
あの…先輩の名前教えてください」

あ、私も名前言ったほうがいいよね…

「あ、あの、私は望月咲良っていいます!」

「さくら、か。かわいい名前。
さくら、俺の名前は鮎川綺羅斗。
きらとって呼んでくれればいいから。」

いきなり名前で呼んできたのが、
気恥ずかしく、ドキドキした。

「きらと先輩ですか!よろしくお願いします!」

また高校生活が楽しくなりそうな予感♪

私達は職員室でそれぞれの先生のところに行き、用事を済ませた。

「それじゃあ、休み時間もあと少しだし教室戻るわ、じゃあな!」

「はい!」

なんだか、素敵な時間を過ごせたなあ。