私たちの通う蒼礼学院(ソウレイガクイン)は、家から徒歩約三十分の距離にある。
この学校は、有名な私立校で私立にも拘らず、毎年入学希望者が後を絶たないという有名校。
女子、男子ともに制服が可愛らしく格好良く。
また、品行方正、頭脳明晰、容姿端麗、スポーツ万能、などなど。
様々な分野に特化した人物が集まることでも有名だ。
その反面。平々凡々。普通の人もその学校に通っている。
ジンとユウキは家を出たところから横に並び、学校までの道を歩く。
これもいつもの光景だ。
その間、会話などは特に繰り広げられるわけではないが、ユウキはそんなことを気にする少女ではない。
それは、彼女にとって普通のことだからだ。
ジンは家やユウキと二人だけのときにはよく話すのだが、一歩外に出ると彼は必要最低限話すことはしなくなる。
それは、彼の中に潜んでいる過去起きた出来事のせいだと。
ユウキは彼自身から聞き知っているから、深く探るような無粋なことはしない。



