校門付近に立つ人々。
黒いスーツを身につけ、顔には皆サングラスをかけており、その素顔は読み取れないようになっていた。
「ああ、来たな。何もこんな時間に来なくてもいいものを…少しはこっちの迷惑を考えろ…」
行く気も失せる。呆れたように彼は小さく呟いた。
すると、校庭の集団を見るためか、生徒たちが校舎からぞろぞろと蟻のように出てきた。
怖いもの見たさか。
はしゃいでいる。
そんな生徒たちを教師たちは必死に戻るよう叫んでいる。
それもそうだ。
得体の知れない集団が突然現れたのだ、何をされるのか分からない。
必死にもなるだろう。
しかし、生徒たちはその言葉に耳を傾けることはなく。
窮屈の日常から逃れようと、新しい刺激を求めようと、野次馬はどんどん数を増やしていく。
集団の中からリーダーと思しき、一人が一歩前に出た。



