CRIMSON EYESIGHT ~prologue~




そして、扉が開いたと同時に彼は屋上へと飛び出して行った。


それを見て、私は驚きはしたものの何か嫌な予感が胸を過ぎる。


急いでお弁当箱を鞄にしまい込んで、彼に続いて外に飛び出した。


屋上は落下防止用の高いフェンスで囲まれている。


それの近くに彼は立っており、上から校庭を覗く形をとっていた。


彼に習い、私も横に並び下を覗いた。



すると、そこには異様な光景が広がっていた。


校門のすぐ近くと昇降口の入り口付近。


そこにそれぞれたくさんの人が集まっていて。


その片方は明らかに、この学校の生徒ではない者が多くいた。


それどころか、ここからだと生徒よりも多くいるようにも見える。


その数はざっと五十人を超えるだろう。


校庭に出ている生徒はせいぜい二十人弱。


お昼休みを利用して、遊ぼうとしていた人たちなのであろう。



「ジン…あれ」



私はただ、呆然とその光景を見ている。