「すみません、娘がお世話になってしまって…」 そう言って、頭を下げる。 「いえ、そんな!お礼を言われるようなことは何もしてないですし…でも、よかったね。お母さんに会えて」 「うん!お姉ちゃん、ありがとう!」 「本当に、ありがとうございました」 女の人は、再び私に頭を下げると、女の子と手を繋いで歩き出す。 2人は、すぐに人混みの中に見えなくなった。 よかった、お母さん見つかって… …あれ? 私、何か忘れてるような… 「あ!」 た、大変! 葵とはぐれちゃってる! どうしよう…