「葵!」 先にプールに行こうとしている葵のもとへ、走る。 「ありがとう!」 「え?」 「私が、日焼けするから、パーカー着てって言ったんでしょ?」 「……」 あれ? 違ったのかな? 「ひかる、鈍過ぎる…」 「へ?」 「ま、いいや。早く泳ぎに行こ」 そう言って、葵は私の手を引いて歩き出した。