蝉の鳴き声が教室中に響き渡る


もうあと少しで夏休みだ


「美里ー 暑いよ…」


葵が下敷きをあおぎながら言った


この学校は扇風機しかなく夏は地獄だ


「本当に暑いね…」


イライラするほどの暑さ


もうクーラーつけろ!って感じ


「そういえば龍とはどうなったの?」


「特に変化なし…」


葵には全て話した


「本当に体目当てだったのかな…? そのわりには美里をちゃんと見てたよね」


「でも… 私が嫌がった日から全く連絡ないんだよ! そんなのおかしいよ…」


龍は優しくて誠実だったはずなのにな…


「とにかくちゃんと話しなよ このままの状態じゃダメだよ!」


葵がカツを入れてくれた


「わかった… 話してみるよ…」