参加者其の壱

「おい、見たかよ」

隆史が教室に入ってくるなり、和雄の肩を叩いた。

「見たよ。壱億円だろ。だけどホントかな。ドラマとかコンサートとかのキャンペーンじゃないの。」

「じゃあ、壱億円て、フェイクか。けど、無責任じゃねえ。あんな広告出して」

「信憑性はある。全国紙が軒並み広告をのせていると言うことは、後で冗談でしたでは済まない。よって、壱億円は俺たちの手に入るかもしれないぜ」

和雄の隣の席で、クロスワードパズルを解いていた真二が顔を上げて言った。

「なぁ、俺たちでやってみないか。和雄、お前退屈だって言ってたよな。真二はパズルとかクイズ解くの好きなんだろ」

隆史はそういうと、二人の肩を叩いた。

「俺は最初からそのつもりで、今日は学校に来た。それに、親父が新聞社にいるから情報を確認したら、かなり奥が深いらしい」
真二は腕を組んだ。

「実は俺も退屈しのぎにいいかなって」

和雄が言い終わる前に、隆史が手を叩いた。

「じゃあ、決まりな」