…あぁ、何だろう?


やる気が出ない…

何もする気がおきない…

今日もいつもの様に学校だっていうのに…

吐き気がする…
めまいもする…


だめだ…

病院に行こう…



―――――。


「はぁい。次の方どうぞ〜」


待合室で、少年ジャンプを読みながら順番待ちをしていると、お笑い芸人の青木サヤカに似た看護婦さんが次の患者を呼んだ。


が、自分の名前を呼ばれた訳でもないし、ONE PIECEの続きが気になる為、そのまま読み続けた。


「早阪 勉さ〜ん。
はやさか つとむさ〜ん!!
いらっしゃいませんか〜!!?」


ビックリマークを2つも付けたような看護婦さんの声にハッとし、ページを2枚重ねて捲ってしまった。

早阪勉(はやさか つとむ)…通称、俺。


どこにでもいる、ごく普通の、盆栽が大好きな高校二年生。

好きな子は、一つ年上の3年B組の小森 美咲チャン。

小森さんは、何かと…


「早阪勉さん!!早阪勉さんっ!!!いらっしゃいませんか〜っ!!?」


軽々しく俺の名を何度も連呼する、青木サヤカ似の看護婦さんがキレてきたので、辺りを見渡した。



早阪勉っぽい名前の人がいない事を確認して、俺は席を立った。