「今日、放課後に迎えに行くな」

わかった。
待ってるね。

「じゃあ放課後!」

うん!
バイバ~イ。

私とあいつが別れた後。
女子達は私の元へ走って来た。
そして最初の一声が

「より戻ったの!?」

よりって何よ?

「また付き合い始めたの?って事!」

元々付き合ってないから。
だからよりなんか戻らないよ?

「嘘だぁ~」

本当だよ。
何度も言ってるじゃん。
私とあいつはただの幼馴染だって。

「でも、実は好きでしょ?」

…はっ?

「本当は好きでしょ?幼馴染君の事」

ありえないよ。
だってただの…。

「そう思いたいだけなんじゃい?」

…どう言う事?

「本当は好きだけど認めたくない!って感じ?」

…そんなのありえない。
ありえたらダメなんだよ…。

「そんな事言ったらダメじゃん!自分に正直になろう!」

そんなの無理だよ…。

だって私は自分に嘘をついて生きてきた。
そんな事は出来ないに決まってるじゃん。
しかもあんた達の前じゃもっと無理だよ。

「無理じゃないよ!簡単だよ!ちょっと考え方を…」

やめて!!
もうそれ以上何も言わないで!!

私は我を忘れて叫んでいた。
その場はシーンと静まり返った。
私は我に返ってその場から逃げた。

それはみんなから逃げるより自分から逃げてるみたいだった。
本音を隠すようかのように…。