自分の《のうりょく》に気付いたのは、5年生の時だった。

いつも仲良しだった子に何気なく触れたら頭の中にその子の声が聞こえてきた。

『はぁ〜、いつまで仲良くすればいいのかな。嫌いなんだよね』

「えっ!?」

驚いて手を離してしまう。

「どうしたの?」

「いっ、今…声が」

「え?何も言ってないけど」

そんなはずない。

確かに聞こえたんだよ。

「顔色悪いよ?」

「ごっ、ごめん。私帰る!」

「えっ、ちょっと」

私は訳がわからずその場から逃げ出した。