リアルフェイス【短編】


「和くん、大丈夫?」


和くんの横に並んで、問いかけながら3歩。


すると、和くんは足を止めた。


チームメイトに「大丈夫だから」と小声で話しかけると、チームメイトは和くんを離して、フィールドに戻っていった。


そのやりとりを顔を上げて見ていると、今度はあたしに和くんの重みがかかった。


あたしに寄りかかるんだ、と気づいて、彼を支えるように腰に腕を回したら、なぜか、和くんの腕もあたしの腰に回る。


「え?」と思う間もなく、和くんの胸が顔に押しつけられた。


――抱きしめられてる。


ドキドキして、心臓がうるさく音を立てる。


体を鍛えている和くんの胸は信じられないくらい硬くて、いつも、男だと再認識させられる。


そりゃあ、男の体は柔らかいよりも硬いほうがいい。


だけど、自分の体にはどこを探してもそんなに硬い部分がないから、違いを見せつけられて、落ち着かなくなるんだ。


和くんが、あたしの首元で「はあ」と小さく息をついた。


それが首と肩をくすぐる。


「あ、あの、和くん? 足は大丈夫?」