いや、それよりも、和くんと鉄平だ。
あたしは再び、二人に視線を戻した。
試合の結果も大事だけど、二人の体はもっと大事。
まず、和くんの上にかぶさるように倒れている鉄平が地面についた腕を伸ばして、ゆっくり立ち上がる。
一歩後ろに下がると、前屈みになって膝を押さえていた。
次に、和くんがチームメイトの手を借りて立ち上がる。
明らかにチームメイトにもたれるようにしていて、不安が胸を巣くう。
ああ、ここからじゃあ、どの程度のケガなのか、わからない。
堪らなくなって、由実に一言断りを入れると、グラウンドへと駆け寄った。
どこまで近寄っていいのか知らないけど、みんなが二人に注目しているどさくさに紛れて、フィールドのすぐ側まで行く。
単なるグラウンドとサッカーのコートであるフィールドとの境界線――タッチラインという、ゴールを向いたときにサイドに引かれた線――から中へは流石に入れなくて、和くんを真正面に見据えて立ち止まった。
「……和くん!」
チームメイトの肩を借りて、フィールドから出ようと歩いていた和くんはあたしを見た。
引きずるように、ゆっくりと、十歩ほど歩いて、和くんはフィールドを出た。



