リアルフェイス【短編】


そんな中、ホイッスルが大きく鳴り響いた。


(え……?)


なんの合図かわからなくて、視線をさまよわせる。


そして、見つけてしまった。


ボールがゴールにおさまっていた。


つまり、和くんの足がボールへ届くよりも早く、鉄平がシュートを決めていたということだ。


しかも、ゴールキーパーもそれを止めることはできなかったということ。


ひょっとしたら、ゴールキーパーももつれあい倒れる二人に気を取られたのかもしれない。


あたしは微動だにできなかった。


今ので、鉄平は何点目?


和くんへのリードは1点、それとも、2点?


どちらにしろ、今から和くんが鉄平以上にゴールするなんて、不可能に思えた。


喉がカラカラになる。


言葉がでない。


試合時間は何分残っているんだろう。


正式な試合なら、電光掲示板か何かに時間が表示されるんだろうけど、あいにく、この練習試合にはそんなものはない。