リアルフェイス【短編】


おかしいくらいに彼にはまってる。


もし、彼に本性を知られて、ふられたらどうなっちゃうんだろう。


きっと堪えられないよ。


それから、和くんのチームメイトが点を入れて、ハーフタイムになった。


ハーフタイムっていうのは、前半と後半のあいだの休憩時間。


練習試合は公式通りの時間配分で試合するわけじゃないから、ハーフタイムもあったりなかったり。


ハーフタイムを取らないときは、前半と同じくらいの時間で試合を決めてしまうんだけど、今日は後半もあるみたい。


休憩とは言っても、まだ試合中だから和くんのすぐ側に行くことはできないけど、せめて出来るだけ近くまで行って、応援の言葉をかけよう。


そう思って、腰をあげようとしたら、誰かに呼ばれた。


声のした方を見ると、鉄平が立っていた。


「鉄平、何してんの。まだ試合中なんだから、仲間のところにいなさいよ」


「うん、でも、大事な話があって」


「大事な話?」


なんだか、いつもと違う。