ここか…


コンコン


「はい」


ガラッ


「これ…どうぞ」


「あ!ありがとうございます」
彼女は微笑む、少し幼く見えた

「お礼なんて良いよ。
僕も君の絵、勝手に見ちゃったし…」

「み、見たんですか?」


「ごめん。でも、綺麗な絵だね」


「ありがとうございます//」


「君の名前は?僕は、杠  紫雲」


「私は、立花  桜依…」


「桜依ちゃん…
可愛い名前だね」


「ルイなんて名前、男の子に
間違われるんですよ?」


「僕はシオンだから、よく女の子に
間違われるよ?」


「「プッ」」


僕らは、吹き出した


「あははっ!私達、同じですね!」


「だね!桜依ちゃんは、いくつ?」


「17歳です。紫雲君は幾つですか?」


「タメなんだ!同じだよ」


「あれ…?学校じゃないんですか?」


「ん?今は、夏休みなんだ。
でも、退屈でさ」

僕は苦笑いしながら言った

「学校に行けるだけ良いですよ?」

「…? 桜依ちゃんは何の病気なの?」


そう言った瞬間
彼女の顔が悲しそうに笑った。


「心臓が悪くて…生まれつきなんです。
もう随分と長いこと入院してます」


「え!ご、ごめんっ!
無責任なこと聞いて…」


「大丈夫です。 移植すれば治りますから」


彼女は、弱々しく微笑んだ


僕は何故か、この瞬間
君の側に居ようと思ったんだ。