太陽の女神




天然姫と大魔王は、夢歌の前のトップとその女神のあだ名だ。二人はもう結婚していて、会うのも久しぶりなんだけど…正直、会いたいなんて思ったことは無い。


雄大は、あたしがあの二人を苦手としている事を知っている。そして、あたしも知っている。


雄大が、あの天然姫に想いを寄せていることを…。


「ちょっと東宮、あんたから言ってよ。あたしは参加しないから、代わりにあの頭お花畑の姫を参加させろって。」


イライラするんだよね。
だって、分かる。雄大がどうして沙月を姫にしているのか。どうして、あたしを女神にしたのか。


沙月は、あの天然姫に似ている。
だから少なからず雄大は沙月を気にしていて…ワザと、あたしを女神にしているんだ。


女神は姫より、狙われるから…。


「…ククッ…。相変わらずのネーミングセンスだな。」


「…相変わらず、あんたの笑いのツボって可笑しいわよね。」


東宮は、笑わない男だと言うけれど、それは否定したい。こいつはあたしの言葉に変なツボがあるらしい。


こっちは真剣に言ってんのに笑い出すんだから、ムカつくったらない。
それに普段は引くくらい無表情なんだから、こうも笑われると気が抜ける。


東宮のこういうとこも、苦手だ。


「無理だな。雄大が折れない。」


東宮が言うには、あたしが不参加を希望すると見越して雄大に言ったらしい。
けれど何故か、あのバカは聞き入れないと。


たかだか会合なのに、あのバカ雄大は何を考えてんだか…。
東宮が言って折れないんなら、あたしが言ったって同じね。