雄大と似た者同士なのに、全く違う男。
東宮 水希は何を考えているのか読めない無表情であたしを見下ろす。
女の中でも背は高い方なのに、東宮 水希の肩あたりの背丈しかない。それほど、彼が長身ということなんだけど。
「…妃登満、話がある。」
低い声音に言われれば、あたしはその苦手な瞳から視線を逸らして頷いた。
さっきのあたしの失礼な言葉は受け流してくれたらしい。
東宮 水希はあたしより一つ年上らしい。そんな男がどうして雄大と連むようになったのか、詳しい事は知らない。
ただ、夢歌の代から東宮はいた。幹部候補だった東宮は、雄大がトップに就くのと同時に今の位置に就いた。
…本当、謎な男。
そんな男に付いて行くまま、あたしは二階の部屋に入った。東宮と二人だけっていうのは、何とも落ち着かない。
「…会合、お前も参加だ。」
唐突な東宮の言葉にあからさまに自分の顔が歪んだ。東宮は多くを語らない。
最初は何を言いたいとか分かんなかったけど、今ではもう慣れた。
短い言葉の中にある、彼なりの配慮はたまに救われる。
「あのバカ雄大…。まさか、天然姫と大魔王が来るんじゃないでしょうね?」
それだけは勘弁してほしい。
あの二人はあたしの中の一番苦手なペアと言っても過言じゃない。
特にあの天然姫。ああいうタイプの女が一番、扱いにくいんだから。

