逢沢 妃登満、十八歳の高校三年生。
髪を伸ばそうと思って伸ばし始め、今では鬱陶しいくらいに長い髪。
元々、食が細いせいで不健康そうな身体。小生意気だと嫌われる目付き。
男受けも女受けもしない容姿だと思う。
あたしは、容姿のせいでなくとも対人関係が苦手だった。
自分の殻を破れないっていうか、誰にも本当には心を開けなかった。
そして今も、あたしは孤独の中に身を置いていた…。
「…あ、ひとみん!アイス食べてるのー?僕にもちょうだーい!!」
大きな猫目の可愛らしい男…一夜 Itiya が降りてくるなりあたしの手にあったプリン味のアイスを食べた。しかも、大口で。
「…あんた、一口がデカくない?」
「んーっ、美味しいねぇ!今度は僕と買いに行こうね!」
「は?お断りだし。…ていうか、雄大と藍染 Aizome はまだ揉めてんの?」
一夜はあたしの言葉にため息をついた。
そしてそのまま亜紀達が気を効かせて外した席に座る。
アイス、当たりだ。美味しい。
「ゆーちゃんとみーちゃんは似た者同士だからねぇ。まだ、ひとみんを参加させるかどうかで揉めてる。」
あたしは渋面を作った。あの二人、まだそんな事言ってたのか。

