日暮 皐月(ヒグラシ サツキ)16歳。

私は小学校から好きな人がいる。


それは、幼馴染みの

真木 太雅(マキ タイガ)16歳。


太雅は昔からモテた。


顔も良くて、頭も良くて、スポーツ万能で、いつもクラスの中心にいた。


男女問わず人気があって、太雅の隣の席になって太雅のことを好きにならない女子はいないほど。


小学校の頃もすごかったけど中学校に入ってから太雅の人気はますます上がった。



バスケ部の部長になって、後輩からも同い年からも好かれていてまさに女子が好きな要素全てを兼ね備えているような奴。



先生のお気に入りにもなって、こんなに完璧でいいのかってほどだった。



でも、私は太雅のダメなところも知っている。

実は人前に出て発表するのが大の苦手。普段は平静を装っているけど実は内心すごく心臓バクバク。


あと、ほんとは好き嫌い激しい。


食べ物ではなくて、人間の。


みんなに平等に接しているようでほんとは心の中でどんなひどいことを呟いてるのかわからない。



もう、太雅とは10年間のつきあい。

太雅のことを好きになるのに時間はかからなかった。

でも、ふられるのが怖くて未だに告白できていない。



その間に太雅は彼女を作ったり別れたり。

悲しくなって一人で泣いたこともあった。



でも、太雅にこの気持ちは届かない。

多分一生。



もしかしたら、太雅は気づいてるけどあえて気づかないフリをしているのかも。