ばあちゃんはゆっくりと顔をあげた。


「フルフィルパール……それは、7つ真珠の首飾りのこと、やね……?」

「知って、るんだ……!?」


その時のばあちゃんは痛ましい表情をしていた。
目をそっと伏せ、手に持っていたものをテーブルの上に置く。

あの時の同じように、ばあちゃんの背筋がすっと伸びた。


「やっぱり、出会ってしまったんやね」


どくん、と、鼓動が大きく体の中に響いた。

背筋の伸びたばあちゃんに、少女の気配が宿る。


「海の底から来た、あの、うつくしい生き物に」