「では、皆さん、次にお会いする時までどうか死なないように精一杯、見苦しくもがいてくださいね」

そして、男はその場から一瞬で消えた…その時だった。

ガクン、

目の前が一瞬ゆがんだ後、また見たことのない場所にいた。
12畳ぐらいの少し大きめの部屋だ。
部屋の真ん中にはテーブル、それを挟むように俺ともう1人、人がいる。
見た目は…子供ぐらい…か?
確認を終えた後に気がついたが、手足が動く。
もう拘束は解けたみたいだ。
目の前の子供が喋りかけてきた。

「ねぇ…お兄ちゃん。ここどこなの?怖いよ…助けて…お家に帰りたいよ…」

そりゃそうだ、こんな子供まで巻き込まれているとは知らなかった。だがひとまずここはなにも喋らないでおこう。なにがあるかわからない。すると、急にテーブルの上辺りが光だしたではないか!

「な…なんだこれは……」

目の前の光景にただただ驚愕していた。
何もなかった所からとてつもない美貌を兼ね備えた女の人が突然現れたからである。

「…女……神……?」

最初に発した言葉がそれだった。いや、それしか出てこなかった。これも奴の仕業か?すると女神みたいな女性が言う。

「初めまして、私の名前はパナケイア (Panakeia)と、申します。どうぞお見知り置きを。
さて、お二人方にはまず相手の何か欲しいものなどを、言ってもらいます。
その宣言された物を賭け、あるゲームをしていただきます。そのゲームはランダムで決められますので私にもわかりません。
もうわかりますね?勝った方はゲーム前に言った事を、相手から貰える権利が与えられます。
負けた方は感情がどうあれ、それを差し出してもらいます。これは絶対なのでもし拒んだ場合は力ずくでさせますのでその点はご理解ください。
ではゲームを決めさせていただきます。」

すると、前にクジ箱が現れた。女神は1枚中から紙を引く。

「ゲームの方が決まりました。そのゲームとは、《ダウト》です。

〜ルール説明〜

1(A)から13(K)までを裏向きにして順番に出していきます。自分の順番に対応したカードを出す必要がなく、別(ウソ)の数字を出しても構いません。 他のプレイヤーは、「ダウト」と宣言することにより、カードを出したプレイヤーのウソを見破ることができます。ウソを見破られた場合、 場のカードをすべて引き取らなくてはなりません。
手札を無くし、勝てば1ポイント、3ポイント先取で勝ちを決定させていただきます。なお、今回は二人での対決ですので、使うカードは1(A)から13(K)のダイヤのみ13枚とさせていただきます。ではお二人方、相手に望むことや物をおっしゃってください。」

仕方が無い。相手は子供だ、俺が先陣を切って軽い罰にしてやろう。

「じゃあ俺は勝ったら君の今はおっているジャンバーを貰おうかな。君はなにがほしい?」

するとその問いに対して、子供はニコリと満面の笑みで、

「じゃあねじゃあねー!僕が勝ったらねー!」

そう言って、子供の顔がふてきな笑みに変わった。そしてこう言った。

「ーーーお兄ちゃんの《命》を貰うね?」