キーンコーンカーンコーン
ほおずえを付きながら、窓の外を眺める。
翔、同じクラスになれないかなぁ……?
って、これじゃあ私が翔のこと好きみたいじゃん!?
私はずっと、一也の事が好きで、
でも、一也とは今兄妹で、
翔のこと、好きになってもいいのかな……?
「おっはよー!ゆずーー!なに辛気臭い面してんのよ!」
そう言って私の背中を叩いてきたのは、親友の西ノ谷真奈実だった。
真奈美は髪が肩より短く、体は細くて、運動神経は抜群。
いわゆるイケメン女子と言ったところだ
「そーいえばさ!転校生がうちのクラスにくるらしいね!しかも男!」
うちのクラスにくるんだ!
身を乗り出しながら私に熱弁をしてくる。
言わなきゃ、
一也と兄弟で、同居し始めてること。
その転校生が好きかもってこと。
「あ、あのさっ、」
「みんな席につけーーーー!」
私が真奈美に言おうとしたタイミングで先生が入って来た。
ほんっっとさ、空気呼んでよ先生………
「おっ、じゃあまたあとで話し聞くわ!」
そう言って真奈実も席に戻ってしまった。
「うっーす!俺、天野翔って言いまーす!よろしく!!」
扉からでできた翔は大きな声で自己紹介をした。
女子からはきゃーと歓声があがる。
そりゃあ、翔はすごいイケメンだもん。
その時に翔と目があった。
あ……
翔がパチッとウインクをする。
その姿にやっぱり、ドキドキしてしまう。
翔ったら……
翔といると、笑顔になれて、
心から嬉しいと思えた。
その時、後ろの方から人が入って来た。
