「な、なな何すんのよ!!」


「何って、でこちゅー?」


ケロッとした顔で一也は首を傾げてきた。


「ありえない。うちらは今兄妹なんだよ?ばかじゃん!?」



あれ、何言ってんだろ。



そうだよ、自分でわかってんじゃん。
私と一也は血が繋がってないけど、紛れもない兄妹。



兄のことを好きなんて、絶対にダメな感情。




本当に自分が嫌になる。




「あー…、そーだよね。ごめん。俺ら兄妹だもんな。」


ブスっとした顔で一也が呟いた。


その直後、最大級のスマイルを浮かべた。


「そういえば俺、お兄ちゃんだもんね。あ、そうだ、コーラ買ってきてよ。妹?」


そう言って数枚の小銭を私の目の前に差し出してきた。




さっきのは私が悪かった。
私が兄妹の一也にドキドキしちゃったんだから。


でもさ、いきなり“妹”とか呼んでパシらせんのはなくない?




怒りと一緒に涙が目にたまる。



いきなり妹扱いしてパシらせようとしてきた事と、兄妹はダメなんだって事。




頭ではわかってたつもりなのに、心は
“ああ、やっぱり、一也が好きだ。”って



「コーラはまだ、冷蔵庫に残ってる。」


「もう炭酸抜けてんでしょ?」


「てか、もう遅刻するよ。」



私は必死に涙を堪えて一也に伝える。


私はすぐ一也の部屋を出た。



焼いといた食パンを食べて、着替えて、すぐに家を飛び出した。




自分が悪いのに、
一也の顔を見たくなかった。






そんな自分が嫌になる、