そう言って小山さんこと大学のサークル仲間の恵美に連れ出された。

「なんだよ」

「奈美とどうなってん?あの子はただよく飲む程度の仲って言ってたけど」

「その通りだよ」

「えっ、付き合ってないの⁉︎」

「俺とあいつがどうこうなる訳ないだろう」

「私と、俺とあいつがどうこうなる訳ないって2人とも同じようなこと言っちゃって」

「別に口裏合わせてる訳じゃねえし」

「2人ともプライドが高いんだから」

「それはあいつだろ」

「あんたも早く射止めないと他に取られちゃうわよ」

「は?」

「あの子、自覚ないだけで結構モテるんだから。こないだも営業部の新人くんにアプローチされてたし」

「ふーん…」

「とにかくあんた達中途半端なことしないでケジメつけなよ」

「余計なお世話だ」

「はいはい、じゃあまた聞きに来るからね。‘‘どうなったか”」

ふんというとカツカツヒールを鳴らしながら去っていった。