瞳が映す景色


我が家の危機っ!?


とばかりに、ひとりで相当窮地に立たされていた。あたしがなんとかしなければと使命感に燃え、佳奈ちゃんともう会えなくなる?とか幸せだった結婚への道のりが壊れてしまうかもしれないことへの焦りや不安が胸に溜まり……


……あたしは、家族の前で数年振りに大泣きし、勝手にキレて、事が収束しますようにと大きな声を上げた。


「だったらあたし大学辞めてここで働くっ!!」


と。




結局、今あたしは大学生のままバイトをしていて、兄たちは予定通りに式を挙げ、この家で同居しながら、会社員の佳奈ちゃんと母は変わることなく仲が良く――という一年を過ごしている。


……一番深刻だったのはあたしで、すれ違いがもたらしたいっときのいさかいは、あたしが叫ばなくても収束していくものだったということ。


バイトは、夜の時間帯は助けがあったほうが事実いいらしく、けど誰かを雇うとなるとどうなのだろう、要らないときも急にあったりするしな現状。そんなとき、家族なら勝手もそれなりに可能だということで、あたしのバイトは確定することとなった。


けど、バイトと家業の手伝いの中間ということで時給は少な目。急に人員が要らなくなる日もある。代わりに、急な欠勤は融通すると甘い条件下の元、大学卒業までの間そうすることとなった。佳奈ちゃんの仕事もその頃には先が見える時期らしい。