「……なあ藁科。オレ、どうすればいいかなぁ」
本当に、もうどうしたらいいのか。
「もう、終わりにしようって、思ってたんだ。な のに、藁科が色々言うから。今の藁科がそんな素敵になったのは、オレのおかげだなんておだてるから。――顔見たらさ、迷惑なの分かってても 言っちゃうじゃないか。困るって言ったのはそう いうこと」
誤解のないよう、素敵なのは以前からだったと加 えた。
言葉にするとともに気持ちは昂る。見られたくなくて、地面に座り込み顔を伏せた。
「先生?」
「正直、最初は驚いただけで好意はなかった。大事な生徒だから当然だ。――いつからかなんて知らない。理由なんて、たくさんあるようでないみたいだ。けど、恋愛ってそういうもんなんだ ろ?」
「――はい」
未練がましい。恥ずかしくてたまらない。



