瞳が映す景色



「……先生たちも、いらなかったんじゃね? そんな荒れてもないしさ」


不服そうに、海堂がゴミ袋をぶつけてくる。


「悪い。でも、帰ったら澤に締められそうだったからな」


「……、確かに。じゃ、帰る前までに澤の不機嫌取り除いておいて下さい。俺のため」


「善処、するよ。きっと白鳥先生が」


オレじゃあ火に油だろうということは、気付いていない海堂には口にすることをしなかった。


向こうでは、イライラする澤を上手く扱いながら、白鳥さんがテーブルを直していた。オレと海堂はゴミ処理係。あれだけ買い込んできて、追加の差し入れまであった食べ物は見事にすっからかんで、大量の空容器を集めていく。


大方片付けも終わった頃、多少落ち着いた澤も交えて、お互いの近況報告などを話した。


「そっか。澤も海堂も、合コンやサークルに明け暮れてなくて安心したよ」


「そっ、んなこと俺がするかよっ!! ――な? 澤」


海堂の精一杯のアピールはスルーされてしまった。澤は他の友人たちのことを話し始め、寂しそうに海堂もそれに加わる。