瞳が映す景色


跳ね上がりそうな肩を必死に抑える。手に汗が滲む感触が広がった時、


「コトハはダメッ!!」


焦ったように澤が大きな声を上げ、場の空気が一瞬凍りついた。


……後片付けなんていくらでも手伝うが、もう、いたたまれなくて……。


「藁科っ、俺がいるから大丈夫だぜっ!」


その声に助けられる。自分のためではあるけれど、海堂のおかげで、その場は確実に和んでくれた。


それじゃあと、残っていたメンバーは三々五々店を後にしていく。澤と海堂、白鳥さんとオレを残して。


藁科は、ちゃんと笑っていてくれて、友達と楽しそうにしていた。


一度も言葉を交わすことはなく、クリスマス兼同窓会は終了した。


それでいい。